2025/09/18
前回はこちら
「PTA会長の立ち位置を誤ると、祝辞はイマイチになる。」
PTA会長の立場を3つの層で整理すると、次に悩むのは「祝辞ではどれを使えばいいの?」という点です。
結論から言うと、祝辞の中心は第3層、つまり「保護者の共通の思いを代弁する」に置くのがベストです。
祝辞が「語りすぎ」になってしまう瞬間
祝辞が長くなったり、なんとなく違和感を生んだりする場合の多くは、第1層や第2層を前に出しすぎています。
団体の意思表明や方針説明は、祝辞では脇役なんです。
祝辞の黄金バランス
安定する祝辞には、明確な配合があります。
- 約8割:保護者としての思い(第3層)
- 約1割:PTA会長としての立場表明(第1層)
- 約1割:みんなで決めた協力姿勢(第2層)
この配合を頭に入れておくだけで、祝辞が長すぎたり物足りなかったりすることは、ぐっと減ります。
主語・責任・距離感で立ち位置を固める
次は、これを実際の文章にするために、主語と責任範囲をどう決めるか、です。
祝辞の立ち位置は、頭で考えているだけでは固まりません。実際の文章として形にする必要があります。
主語が混ざると立ち位置が崩れる
グラつく祝辞の多くは、主語が知らないうちに切り替わっています。
- 私(会長個人):体験談、気づき、個人的な思い
- 私たち保護者:共感しやすい感情、見守る気持ち
- PTAとして:団体の姿勢(ただし判断や評価はしない)
責任の線引きをはっきりさせるフレーズ
どこまでが自分の責任かは、言葉ではっきりさせます。
- 「私たち保護者としては」
- 「PTAとしては、微力ながら」
- 「学校のご指導のもと」
これらは、距離を置くためではなく、一緒にやっていく立ち位置を明確にするための言葉です。
立ち位置を間違えない祝辞の完成形
最後に、立ち位置を間違えやすいNGパターンと、それをどう直すかを整理します。
よくあるNG例
- 学校の方針を、まるで先生の立場で断言してしまう
- 先生方の指導を上から目線で評価してしまう
- 自分の個人的な意見を、全保護者の代表意見のように話してしまう
※つまり、「やりすぎ」に要注意ということです。
修正のコツ
修正の基本は、断言を避けて、感謝と事実に戻すことです。
- 断言 → 「〜と感じております」
- 評価 → 「ご尽力により」
- 全体代弁 → 「多くの保護者が願うのは」
祝辞の基本的な流れ
安定する祝辞は、次の流れで組み立てます。
- 導入:立場をはっきりさせる(保護者として)
- 本題:願い・見守り・感謝
- 協力:学校との関係性
- 結び:簡潔な未来への思い
立ち位置をきちんと言葉にできれば、祝辞は自然と安定します。
