高校 卒業式でのPTA会長 祝辞　例文（「こうあるべき」より「こうありたい」を大切に）

本日ご卒業を迎えられた〇〇名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
そして保護者の皆さまにも、心よりお祝いを申し上げます。

今日この日を迎えた皆さんの表情には、自信と期待、そして少しの名残惜しさも混じっているでしょうか。皆さん、本当にいい顔をしています。
三年間という時間の中で、仲間と笑い合い、悩み、挑戦し、成長してきたそのすべてが、今の皆さんを形づくっています。
その努力の積み重ねに、心からの拍手を送ります。

さて、皆さんがこれから歩んでいく社会には、たくさんの「こうあるべき」という声が溢れています。
「こう生きなさい」「こう振る舞うべきだ」「こうしたほうがいい」「こう生きなさい」──これらは決して皆さんを阻害するために発せられたものではなく、皆さんのためを思ってのものです。

ですが、皆さんは明日からもう大人、いや、大人というと言い過ぎかもしれません。もう自分の考えと行動の責任をほとんど自分で引き受けられる子供以上大人未満、それが皆さんです。

外からの基準が、まるで正解のように語られるのが社会です。けれども本当に大切なのは、「こうありたい」という自分自身の声に耳を傾けることです。誰かと比べる必要も、急ぐ必要もありません。
たとえ遠回りに見えても、自分で選んだ道を、自分の速度で歩むことが、最も確かな成長につながります。
その歩みの中で出会う失敗や迷いこそが、皆さんをより豊かにし、強くしてくれるでしょう。

社会にある漠然としたものに浸かるのではなく、他人の期待に応えるための人生ではなく、自分の心が納得できる道を選び取る勇気を、どうか持ち続けてください。そして自分にとって、自分史上最高の豊かさを獲得してください。自分を真の意味で豊かにできるのは、世界広しと言えど、皆さんだけです。

あとはそれに向けて楽しみながら頑張るだけです。

保護者の皆さま、長い間お子さまを支えてこられ、本当にお疲れさまでした。
この三年間、喜びも心配もたくさんあったことと思います。
今日、立派に成長したお子さまの姿は、皆さまの愛情と忍耐の証です。
これからは少し離れた場所から見守る時間が増えるかもしれませんが、どんなときもご家族の存在が、子どもたちにとっての大きな支えであることに変わりはありません。
私たちPTA一同、心からの感謝を申し上げます。

保護者の皆さま、長い間お子さまを支えてこられ、本当にお疲れさまでした。
入学の日を思い出すと、今日この日がどれほど特別なものか、胸にこみ上げるものがあることと思います。
喜びや不安、期待や葛藤――そのすべての瞬間を共に乗り越えてこられたのは、他でもないご家族の深い愛情と忍耐の力です。
子どもたちはその愛の中で、自分を信じる力、自分で歩き出す勇気を育んできました。

これからは、手を添える機会は少しずつ減っていくかもしれません。けれども、見えないところで「自分を信じてくれている人がいる」という確かな支えこそが、彼らをこれからも前に進ませる原動力になります。
だからこそ、どうかこれからも変わらぬ温もりで、そっと背中を押してあげてください。
皆さまが今日まで注がれた愛情のすべてが、子どもたちの未来を照らす光として、これからの人生の中で永く息づいていくことでしょう。

そして校長先生をはじめ、教職員の皆さま。
生徒一人ひとりの個性を大切にし、時に励まし、時に厳しく導いてくださったそのご指導に、心より敬意と感謝を申し上げます。
皆さんの教育への情熱が、生徒たちの未来を照らす灯となっております。

最後に、卒業生の皆さん。皆さんのこれからの人生が、希望と挑戦に満ちた素晴らしいものであることを心より願い、祝辞といたします。

ご卒業、誠におめでとうございます。

令和七年三月〇日
〇〇県立〇〇高等学校
PTA会長　〇〇〇〇