PTA会長が挨拶をする頃の僕たち

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PTA会長の立ち位置を誤ると、祝辞はイマイチになる。

time 2025/12/30

PTA会長として祝辞を述べた後、「なんかしっくりこなかった…」と感じたことはありませんか?原稿もちゃんと準備したのに、どこか落ち着かない感じが残る。

実はこれ、多くのPTA会長さんが経験している共通の悩みなんです。原因はいろいろありますが、今回は特に「どの立場で話しているのかがブレる」という問題に注目してお話しします。

PTA会長は「代表」という肩書きがあるため、つい何でも語れる気になってしまいがち。でも祝辞では、この立ち位置が少しでもズレると、話全体がグラついてしまうんです。

よくある「グラつく祝辞」の特徴

イマイチな祝辞には、こんな共通点があります。

  • 学校の方針を代弁しているように聞こえる
  • 先生方の努力や指導を評価するような言い回しになっている
  • 保護者・学校・地域すべてを背負って話している

どれも悪気はありません。むしろ「きちんとした挨拶をしたい」という真面目な気持ちから生まれるものです。ただし、これらはすべてPTA会長の立場を超えた内容になりやすいポイントなんです。

PTA会長の立場は「強そうで実は限定的」

PTA会長は確かに団体の代表です。でも、教育内容や学校運営について判断する代表ではありません。また、先生方の働きを評価する立場でもないし、地域全体の意思を代弁する役割でもありません。

PTA会長の立場は、強そうに見えて、実ははっきりと範囲が決まっています。この範囲を意識せずに話すと、「誰として話しているのか」と「何に責任を持てるのか」がちぐはぐになってしまいます。

祝辞の安定は「権限」ではなく「立ち位置の明確さ」で決まる

祝辞が安定するかどうかは、どれだけの権限があるかでは決まりません。どの立場から、誰として話しているのか。つまり立ち位置の明確さで決まります。

PTA会長の立場を「3つの層」で整理する

PTA会長は誰を代表しているのでしょうか?言い換えると、どの属性の人たちの声を届ける立場なのでしょうか?

以下にPTA会長の立場を3つの層に分けて整理します。これで、祝辞で語ってよい範囲がはっきりします。

なぜ立場の意味が混乱するのか

PTA会長は、会則上はPTAという団体を代表します。でも実際の祝辞では、その事実だけでは立場を説明しきれません。

団体の代表であることと、何を語る代表なのかは別の問題だからです。

PTA会長の立場「3層モデル」

PTA会長の立場は、次の3つの層に分けて考えることができます。

第1層:規程上の代表

会則・規約上、PTAという団体を対外的に代表します。ただし、教育方針や学校運営は代表しません。

第2層:委任された代表

総会や役員会など、正式な合意を経た事項についてのみ、団体として発言できます。

第3層:保護者の共通の思いを代弁

多くの保護者が共有しやすい感情や願いを言葉にする役割です。

祝辞で重要になるのは「第3層」

祝辞で中心になるのは、第3層です。PTA会長は、学校側の代表として話すのではなく、保護者側から見た学校への敬意と協力を語ります。

この位置をブラさなければ、祝辞は過不足なく、安定したものになります。

 
 

次回「祝辞で使うべき立場〜主語・責任・距離感〜」では、より具体的な話し方のポイントをお伝えします。

   

この記事の著者

ニーバーオフィス

2006年以来、長きにわたり祝辞・挨拶原稿の代筆を行っている会社の代表者です。このサイトではPTA会長の祝辞・挨拶について、多くのPTA会長のご助力をしてきた経験からアドバイスをしています。