PTA会長が挨拶をする頃の僕たち

PTA会長の挨拶・祝辞について、卒業式や創立記念式典などの場面でのお役立ち情報をお伝えます。

卒業式の祝辞で「保護者を代表して」と言いたくなる気持ち

time 2025/09/09

3月の卒業式シーズン。式典で壇上に立ったPTA会長が「保護者を代表してご挨拶を申し上げます」と挨拶することが、ままあるようです。

ですが、厳密に言うとPTA会長は「保護者の代表」ではないんです。

ご存じのように、PTAは保護者と教職員で構成される任意団体で、PTA会長はその会員の中から選ばれた代表。つまり「PTA会員の代表」であって、学校に通う子どもたち全ての保護者を代表する立場ではないのが、組織的には正しい理解なんです。

 

でも、言ってしまいたい気持ち、分かります

とはいえ、卒業式の壇上に立った時に「保護者を代表して」と言いたくなる気持ち、すごく分かるんですよね。

だって、保護者席を見渡せば、我が子の晴れ姿を見守る多くの保護者の方々がいらっしゃる。その場の空気感として、自分が保護者全体を代弁しているような気持ちになるのは自然なこと。子どもたちの門出を祝う特別な瞬間に、堅苦しい組織論よりも、心から湧き上がる祝福の気持ちを表現したくなりますよね。

それに、聞いている側も「保護者を代表して」という言葉に特別な違和感を持つことは少ないでしょう。むしろ、その方がしっくりくる、温かみのある挨拶に感じられることも多いはず。

卒業式のような式典では、法的・組織的な厳密さよりも、セレモニーとしての意味合いが重視されることが多いもの。正確には「PTA会長として」や「PTA一同を代表して」となるのでしょうが、卒業式という特別な場面では、多少の表現の違いは温かく受け止められることが多いのではないでしょうか。

 

大切なのは気持ち

結局のところ、卒業式の祝辞で一番大切なのは、子どもたちの新しい門出を心から祝福し、これまでの成長を讃える気持ち。そして、保護者同士、教職員の皆さんとともに子どもたちを支えてきた感謝の思いを伝えることですよね。

「保護者を代表して」と言いたくなる気持ちの背景には、きっとそんな温かい想いがあるはず。組織の立場の整理も大切ですが、その気持ちを大切にしながら、心のこもった祝辞を贈ることができれば、それが一番素敵なことなのかもしれません。

春の新しい出発を迎える子どもたちに、大人からの心からの応援メッセージが届きますように。