2026/01/22
学校の創立○周年記念式典。PTA会長として祝辞を述べることになったとき、
「自分は、お祝いをする側なのか? お祝いを受ける側なのか?」
この問いに即答できる人は少ないのではないか。周年記念式典におけるPTA会長の立ち位置は、実はかなりややこしい。
来賓だが、来賓とも言い切れない
式次第を見ると、PTA会長は「来賓祝辞」の枠で挨拶をすることが多い。つまり、形式上は来賓—外部から招かれた客—という扱いだ。
だが、PTAとは何か。Parent-Teacher Association、つまり保護者と教職員の会だ。学校と無関係な外部団体ではない。PTA会長は、その学校の保護者であり、学校運営に深く関わっている「関係者」だ。
来賓として招かれた地元の議員や教育委員会の関係者とは、明らかに立場が違う。「ゲスト」として振る舞うには、あまりに当事者すぎる。
かといって、学校側でもない
では、校長先生のように「本日はご来場いただきありがとうございます」と、ホスト側として振る舞えばいいのか。これも違和感がある。
PTA会長は、学校の職員ではない。校長や教頭のように、学校を代表して感謝を述べる立場ではない。「学校側の人間」として完全に振る舞うのは、やりすぎだ。
実行委員会に入ると、さらにややこしくなる
周年記念式典の規模が大きくなると、実行委員会が組織されることがある。PTA会長がその委員長や委員を務めることも珍しくない。
こうなると、立場はさらに複雑になる。式典を「主催する側」に足を踏み入れているからだ。
- 来賓としてお祝いを述べる立場
- 保護者代表として感謝を述べる立場
- 実行委員として式典を運営する立場
三足のわらじ、いや、少なくとも二足のわらじを履いている状態だ。
二足のわらじを、意識的に履く
結局のところ、周年記念式典におけるPTA会長の立ち位置は、「お祝いをする側」であり「お礼を言う側」でもあるという、曖昧なものだ。
これを「ややこしい」と嘆いても仕方がない。むしろ、この二足のわらじを意識的に履きこなすことが、PTA会長らしい挨拶につながる。
挨拶の組み立て方
具体的には、挨拶の中に「お祝いを述べるパート」と「感謝を述べるパート」の両方を含めるのが自然だ。
お祝いを述べるパート
学校の節目を祝う言葉。創立からの歴史への敬意、これまでの歩みへの称賛、そして今後の発展への願い。ここは来賓としての立場で語る。
感謝を述べるパート
地域の方々、来賓の方々、そして保護者への感謝。日頃の支援があってこそ、この節目を迎えられたという趣旨。ここは関係者としての立場で語る。
この二つを自然につなげることで、PTA会長ならではの挨拶になる。
どちらか一方だけでは足りない
「おめでとうございます」だけで終わると、他人行儀すぎる。PTAは学校の一部なのに、まるで無関係の来賓のようだ。
「ありがとうございます」だけで終わると、校長先生と役割が被る。PTA会長がホスト側を代表する必要はない。
両方を含めることで、PTA会長という微妙な立場を、むしろ強みに変えることができる。
まとめ
周年記念式典でのPTA会長の立ち位置は、来賓でありながら関係者、ゲストでありながら当事者という、曖昧なものだ。
この曖昧さを嫌って、どちらか一方に寄せようとすると、違和感のある挨拶になる。
むしろ、二足のわらじを履いていることを自覚し、「お祝い」と「感謝」の両方を盛り込む——これが周年記念式典でのPTA会長の挨拶を組み立てるコツだ。

