2025/09/18
祝辞の準備というと、何を思い浮かべますか。
多くの人は「原稿を書くこと」と答えるでしょう。何を話すか考えて、文章にまとめて、練習する。それが準備だと。
もちろん、それは正しい。でも、原稿を書く前にやっておくと良いことがあります。
校長先生や教頭先生と、少し話しておくこと。これだけで、祝辞の方向性が定まりやすくなります。
祝辞は「学校行事の一部」
PTA会長の祝辞は、単独で存在するものではありません。
入学式や卒業式という学校行事の中の、一つのパートです。校長式辞があり、来賓祝辞があり、PTA会長挨拶がある。全体の流れの中に位置づけられています。
だから、学校の方針と大きくずれていると、浮いてしまうことがあります。
学校が「静かに送り出したい」と思っている卒業式で、PTA会長が盛り上げようとする。学校が「新しい出発」を強調したい入学式で、PTA会長が過去の話ばかりする。意図していなくても、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
事前に学校の意向を知っておくと、こうしたずれを避けられます。
校長の式辞と被らないために
もう一つ、実務的な理由があります。
校長先生の式辞と、内容が被ることがあるのです。
卒業式で校長先生が「6年間の成長」について話し、その直後にPTA会長も「6年間の成長」について話す。聞いている側は「また同じ話か」と感じてしまいます。
事前に「校長先生はどんな話をされる予定ですか」と聞いておけば、被りを避けられます。校長先生が成長の話をするなら、PTA会長は別の角度から話す。そうすると、式典全体として厚みが出ます。
事前に聞いておくと良いこと
具体的に、何を聞いておくと良いのか。いくつか挙げてみます。
今年の学年の雰囲気
「今年の卒業生は、どんな学年でしたか」と聞いてみる。活発な学年だった、穏やかな学年だった、行事に熱心だった。先生から見た印象を聞くと、祝辞の方向性が見えてきます。
校長先生が式辞で触れる予定の話題
詳しく聞く必要はありません。「どんな話をされる予定ですか」と軽く聞くだけで十分です。大まかな方向性がわかれば、被りを避けられます。
式典の時間配分
「PTA会長の挨拶は何分くらいを想定していますか」と確認しておく。3分と思っていたら5分だった、ということもあります。事前に確認しておけば、原稿の長さを調整できます。
学校として大事にしていること
校訓、教育目標、今年のスローガン。学校が大事にしているキーワードを知っておくと、祝辞に自然に取り入れることができます。
「相談する」より「聞いておく」
事前のすり合わせ、と言うと大げさに聞こえるかもしれません。
「相談する」というより「聞いておく」くらいの気軽さで大丈夫です。
「今年の卒業式、何か気をつけることはありますか」「校長先生はどんなお話をされる予定ですか」。立ち話程度でも構いません。5分、10分の会話で十分です。
校長先生も、PTA会長が関心を持ってくれることを歓迎することが多いです。「ありがとうございます、助かります」と言われることもあります。遠慮する必要はありません。
聞いた内容をそのまま使う必要はない
一つ、補足しておきます。
校長先生から聞いた内容を、そのまま祝辞に入れる必要はありません。
「校長先生がこう言っていたから、こう話さなければ」と縛られる必要はない。あくまで参考情報です。聞いた上で、自分の言葉で話せばいい。
事前に聞いておくのは、方向性を確認するためです。内容を指示されるためではありません。最終的に何を話すかは、PTA会長が決めることです。
この回のまとめ
- 祝辞は学校行事の一部。学校の方針と大きくずれると浮いてしまう
- 校長式辞と内容が被ると「また同じ話か」と思われる
- 事前に聞いておくと良いこと:学年の雰囲気、校長式辞の方向性、時間配分、学校が大事にしていること
- 「相談する」より「聞いておく」くらいの気軽さでいい
- 聞いた内容をそのまま使う必要はない。参考にする程度で十分
次回は、地域や学校の歴史を祝辞に入れることについて考えます。「この学校だから言えること」があると、祝辞の印象が変わります。
