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祝辞で使うべき立場〜主語・責任・距離感〜

time 2025/12/30

前回はこちら
「PTA会長の立ち位置を誤ると、祝辞はイマイチになる。」

PTA会長の立場を3つの層で整理すると、次に悩むのは「祝辞ではどれを使えばいいの?」という点です。

結論から言うと、祝辞の中心は第3層、つまり「保護者の共通の思いを代弁する」に置くのがベストです。

祝辞が「語りすぎ」になってしまう瞬間

祝辞が長くなったり、なんとなく違和感を生んだりする場合の多くは、第1層や第2層を前に出しすぎています。

団体の意思表明や方針説明は、祝辞では脇役なんです。

祝辞の黄金バランス

安定する祝辞には、明確な配合があります。

  • 約8割:保護者としての思い(第3層)
  • 約1割:PTA会長としての立場表明(第1層)
  • 約1割:みんなで決めた協力姿勢(第2層)

この配合を頭に入れておくだけで、祝辞が長すぎたり物足りなかったりすることは、ぐっと減ります。

主語・責任・距離感で立ち位置を固める

次は、これを実際の文章にするために、主語と責任範囲をどう決めるか、です。

祝辞の立ち位置は、頭で考えているだけでは固まりません。実際の文章として形にする必要があります。

主語が混ざると立ち位置が崩れる

グラつく祝辞の多くは、主語が知らないうちに切り替わっています。

  • 私(会長個人):体験談、気づき、個人的な思い
  • 私たち保護者:共感しやすい感情、見守る気持ち
  • PTAとして:団体の姿勢(ただし判断や評価はしない)

責任の線引きをはっきりさせるフレーズ

どこまでが自分の責任かは、言葉ではっきりさせます。

  • 「私たち保護者としては」
  • 「PTAとしては、微力ながら」
  • 「学校のご指導のもと」

これらは、距離を置くためではなく、一緒にやっていく立ち位置を明確にするための言葉です。

立ち位置を間違えない祝辞の完成形

最後に、立ち位置を間違えやすいNGパターンと、それをどう直すかを整理します。

よくあるNG例

  • 学校の方針を、まるで先生の立場で断言してしまう
  • 先生方の指導を上から目線で評価してしまう
  • 自分の個人的な意見を、全保護者の代表意見のように話してしまう

※つまり、「やりすぎ」に要注意ということです。

修正のコツ

修正の基本は、断言を避けて、感謝と事実に戻すことです。

  • 断言 → 「〜と感じております」
  • 評価 → 「ご尽力により」
  • 全体代弁 → 「多くの保護者が願うのは」

祝辞の基本的な流れ

安定する祝辞は、次の流れで組み立てます。

  • 導入:立場をはっきりさせる(保護者として)
  • 本題:願い・見守り・感謝
  • 協力:学校との関係性
  • 結び:簡潔な未来への思い

立ち位置をきちんと言葉にできれば、祝辞は自然と安定します。

   

この記事の著者

ニーバーオフィス

2006年以来、長きにわたり祝辞・挨拶原稿の代筆を行っている会社の代表者です。このサイトではPTA会長の祝辞・挨拶について、多くのPTA会長のご助力をしてきた経験からアドバイスをしています。